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好き?嫌い?

子供の頃から贅沢をした覚えがないので、食べ物の好き嫌いは無いほうです。
趣味にしても仕事にしても、人によって好き嫌いがあるのは普通のことで、別に食べ物に好き嫌いがある人をどうこう言うつもりはありません。(例えば私は自分が、下手でもいいからプレイできるスポーツは好きですが、見るだけのスポーツはそれ程好きではありません)
ただ、今回はテーマを食べ物にしたので、例によって言いたい放題と行きましょう。
魚大好き。肉も好き。野菜もこれと言って苦手なものはありません。昔は匂いの強いセリ、ウドなどはそれほど得意ではなかったのですが、酒の肴にしているうちに好物に変わってきました。
烏賊の塩辛、ナマコ(ご飯のおかずには向きませんが、酒の友にはOK)・・・・・
と思っていたら、ある日飲み屋で見つけました。私の苦手なもの。

友人と駅前の赤提灯で飲んでいて、「まだ食べたことのないものを注文しよう」ということになり、私は「くさやの干物」を頼んだのでした。
煙もうもう、話はほとんど叫び声でないと聞こえないくらいの店内に、一段と煙が立ちこめた気がしました。
やがて運ばれた魚は天火干しの鰺そのもので、何の変哲もない焼き物でした。
すこし甘い香りもしています。
しかし、一度口に運ぶとその匂いが鼻を襲い、一瞬「何だ?これは!」と心の中で叫びました。いや、飲み下してから、実際に叫びました。

友人は笑っていました。彼は経験があるらしく、私の反応を楽しんでいるようです。
甘いような腐敗したような、それでいて食欲も刺激されそうな不思議な臭いでしたが、中でも腐敗臭いが私の嗅覚を麻痺させてしまいました。

きっとガイジンさんが納豆を初めて食べたときにはこういう感覚がするのだろうと思ったのでした。残念ながら私は「くさやの干物」は肌に合いませんでした。
「くさや」の臭いは翌日まで鼻の奥に残り、何を食べても「くさや」の臭いがしていました。
ただ、きっとくさやが好きでたまらない人もいるだろうと思います。
これほど個性の強い食べ物は、ひとによって好き嫌いが激しいものですが、好きとなれば「何よりも」がつくほど好きな筈です。

子供の頃から毎日の食卓にこの「くさや」がのぼっていれば、わたしが味噌汁や沢庵がなければ日が過ぎないと同じほど、生活に欠かせないものだということは理解できます。

今まで食べ物で嫌いなものは(ゲテもので無いかぎり)無いと思っていましたが、ついに決定的な「くさや」を発見したのでした。しかし、南国の(?)「ドリアン」という果物が私には向かないことを発見したのはそれから間もなくのことでした。
したがって、私は「食べ物に好き嫌いはありません」とは決して言えないのです。