マナーとかエチケットと言うのは、最終的には他人に不快感を与えず生活やコミュニケーションをスムーズに行なうための「決まり」だと思いますが、文化や習慣の違いを感じることがあります。
スープを始めとする料理を音を立てずに食べるのが「洋風マナー」とすれば、ソバやみそ汁を音を立てて食べるのが「和風マナー」。
皿に残ったスープをパンの端で拭って、きれいに食べて、料理人に敬意を表わすのが「フレンチマナー」なら、残った皿を舐めてはいけないのが「ジャパニーズマナー」。
もっとも「拭う」のと「舐める」のは動作が違うので比較するのに無理があるとは思いますが。
南の国でかわいい幼児の頭を思わず撫でたら、その子の親が激怒したという話も聞いたことがあります。
私がよくやる失敗は、レディーファーストを忘れて、美しいパリジェンヌと「ゴツン」と衝突することです。
事務所には仕事柄外人さんがよく来ます。主にフランスの人です。スタッフの中にもフランス人が何人かいますが、彼らは半分日本人になっているので、私のマナー違反をうまく回避してくれます。
しかし、初めて日本に来たフランス人はそうは行きません。
まず、部屋に入るとき、私は自分が先に入ってドアを開けて待ってやる方が親切だと思い、さっさと先頭に立ってドアを開け入ろうとします、フランス人女性は当然自分が先に入るものと思っていますから、一歩踏みだします。で、ゴツンとぶつかりそうになり、あわてて身を引くことになります。
エレベーターに乗るときは、外のボタンを押して女性が乗り込むのを待ちますから、問題はありません。
降りるときは、最後に乗った私が一番降りやすい位置にいますから、ドアが開くとすぐ降りて、ドアが閉まらないように押さえて待っています、が、これがマナー違反なのです。
本当はエレベーター内で体を横に引き、女性優先で降ろさなければならないのです。 一緒に乗ったフランス人男性は窮屈そうな格好で手を伸ばしドアを押さえ、その腕の下をかいくぐるようにして女性軍は降りて来ます。
まるで「通りゃんせ」です。
これがレディーファーストの国のマナーなのです。
逆もあります。西洋の人はベッドにもぐりこむ時以外は靴を脱ぎませんから、どこでも土足で上がろうとします。
飲み屋の「げた箱」を通り過ぎて板の間に靴で上がります。小さな病院の待合室にもスリッパの代わりに革靴で侵入します。
家庭の玄間でも主人と握手しながらそのまま上がりそうになります。
でも、それが彼らにとって習慣になっているのです。
ま、この程度のマナーの違いは笑い話で済みますが、時にはビジネスの失敗、政治問題、民族衝突にまで発展することがありますから、難しいと言えばムツカシイものでもあります。
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