社会人の英語体験ですが、センター試験の英語リスニング対策にも役立つと思います。もっとも受験生はこれだけやっているわけにはいかないので大変でしょうが、参考になると思います。
「言語の目的は?」と問われれば、私は「コミュニケーションの一つの手段です」と答えます。
だから、どんな方法でもコミュニケーションが成り立てば、その手段が洗練されているかどうかはそれほど重要では無いとも言えます。(正確さが要求されるビジネスの場合は別です)
ボディーランゲッジでも、「諸国大名は弓矢で殺し、糸屋の娘は目で殺す」と言うように、大阪本町糸屋の娘のように並み居る男どもを目で殺しても良いわけです。
見方を変えれば、言語よりも余程洗練された方法かも知れません。(もっとも、むさくるしいオジサンが外人相手に目をしばたいてもコミュニケーションが成立するかあやしいものですが・・・・)
ですから、例えば外国の人と話す時、こちらから話す言葉は少々拙くとも、ゆっくりでも、言いたい内容が伝われば良いのではと思いますが、聴き取れなくては先に進みません。
だから「聞く、話す、読む」ことから、英語再挑戦に入ることにしました。
<モチベーション>
モチベーションを高めるためにTOEICを受けてみる事にしました。自分の力が全く判らないのは不安でもあるし、張り合いがないからです。いつもは、何か勉強しているうちに「いっちょうテストでも受けてみるか」となるのですが、今回はテストを受ける実力のないうちからテストに向けて準備を始める、という逆の順番になりました。
しかし、ともかく自分のレベルが不明です。
本屋さんで立ち読みしたところでは、大学生の平均点が480点で世の「課長」さんの平均点が580点とか。私も「年齢的」には「課長」さんかその上くらいですから、580点前後と見ましょう。
もっともTOEICを受けるのはそれなりに英語の勉強をしてきた人達の筈ですから、年齢が同世代だからTOEICも同レベルとは言いきれないのが辛いところです。目標は、このレベルの人がとりあえず目指す730点辺りでしょうか。150点上げるのは大変ですが、スタートが推測点なら、目標もあくまで「目標」ですから、気楽に挑戦したいと思いました。
そもそも英語が嫌いか、と言われれば、そうでもありません。
中学校の三年生のころに、田舎から華の東京、そして日光へ観光に来たことがありますが、その時、日光東照宮の「眠り猫」の前で外人さんが「オー、スリーピング・キャット!」と言っているのを聞いたのが、生の英語に触れた最初でした。
嬉しくなって、境内のあちこちで外人と見れば声を掛けて、学校で習った英語を使ってみたものでした。
勉強の原動力は「好奇心」だと思いますが、この好奇心だけは、今も持ち続けている積りです。
<参考書>
何の勉強でもそうですが、一つの方法で100パーセントを期待するわけではありません。リスニングを強化するためには読解力や文法力も必要です。
巷に溢れる英語学習用CDをメインに、市販の参考書や子供の高校の英語教科書も利用しました。参考書に関しては、最初から厚い本だと最後にたどり着く前に「投了」しそうなので、200ページ前後の本で、一週間の通勤時間で一回読み終えることを目標にしていましたが予定どおりに進まない場合もありました。
TOEIC400〜600点レベルのものを買って見ましたが、これがなかなか難しくて、アレッこんな筈では無かったのに、と焦ってしまうのです。英語圏での生活経験がないので、日常的な表現、慣用句に引っ掛かって、なかなか前に進めません。単語はどうする? そう、単語の記憶はあやふやでとても自信がありません。高校一年生の英語の教科書でも、知らない単語はたくさん出てきます。まずはこれをマスターしなければなりません。
前述のTOEICの参考書も初心者用を購入しましたが、もう一つ買った本は「英会話・ぜったい音読:挑戦編 国弘正雄 講談社インターナショナル」です。これには、実際に使われている高校1年生の教科書から抜粋した、長文をCDに録音してあり、語彙は難しくはありませんが、正確に聴き取るには相当の聴覚を必要とします。私には手が届きそうで届かないレベルでした。次に、「TOEIC TEST GRAMMER パーフェクト攻略」 松野守峰著 桐原書店を購入しました。とても良い文法書でした。TOEICで留意すべきことが殆ど網羅されているのではないかと思いました。この本の60%を習得するまで頑張ることにしました。私の性格では一冊の本を100%モノにすることはできないのです。
半分以上モノにしたら他の本に移り、また、前の本に戻り、を繰り返して最終的には数冊の本をマスター(に近いレベルに)するのです。特にTOEICの場合、ネイティブが日常生活で使う言葉を習得するわけですから、一冊の本で間に合う筈はなく、初級用も上級用も区別なく利用することにしました。聴き取りは、現地生活の経験がないので、どうしても限界がありますが、だからこそ、「文法」など書籍から習得できる側面の部門は出来るだけ伸ばさなければならないのです。
ですから、自分のレベルからみると遠い存在の参考書(「TOEIC
Test 900点突破ー対策と問題」石井辰哉 ベレ出版)にも(身のほど知らずにも)躊躇無く飛び付いて行きます。
他に買った本は、
「TOEIC文法スピードマスター」(安河内 哲也著 Jリサーチ出版)
「わかるわかる文法TOEIC TEST」(福井 守世著 明日香出版社刊)
この2冊は中級向きで、知っているけれど正確には身に付けていない表現を自分のものにするのに大変役にたしました。
<聴く力を鍛える>
<CD教材>
CNN ENGLISH EXPRESS(朝日出版社刊)のCDには最近起きた出来事のニュースも吹き込まれており、時事英語がたっぷりです。電車の中で聞いていましたが、英語ニュースなどはとんでもなく早く、単語を拾い聞きしながら内容を推測する状態が暫く続きました。また、電車で語学リスニングをしている、という話は良く聞きますが、実際に自分でやってみると普通の音量では電車の騒音が大きくなかなか聞き取れません。しかし、大きくすると隣の乗客の迷惑になります。私は聞き取れなくても切れ切れに英語を耳にすることで、英語のリズムをつかみ、語感を高めることができると考えて、半分聞こえなくても気にしないで、ひたすら聞きました。もっとも時には居眠りをしながらの「睡眠学習」のこともありましたが・・・。
<途中経過>
初めて受けた実際のTOEICは695点でした。
6ヶ月で150点アップの730点を狙っていたのですが、待ちきれなくて、早めて3ヶ月目で受験し700点に届きませんでした。
推定580点からスタートし、700点近辺の実力というのは、英語学習者の一番多い層だと思います。
自分の進歩をテストで確認でき、やっと英語を聴く面白さが少しわかりかけました。反省点は、
1.参考書がまだ60%程度しかマスターできていない。
2.リスニングは、音は捉えても、内容の理解が追いつかない。
3.したがって、まず、今持っている参考書をモノにする。
4.少し「早め」のリスニング教材で、耳をスピードに慣らす。
の4点でした。これらの点に留意して、少しずつ前進することにしました。
一時「英語なんかツカレタ!もうやりたくない!」と感じて、2ヵ月ほど全く英語に触らなかったけれど、4月から子供が大学生になり「英語とパソコンは常識だぞ!」とハッパをかけたのがきっかけで、また始めてしまいました。
最初のテストの前には英語のテープをヘッドフォンで聞くと、拒否反応で頭痛がしていましたが、久し振りに始めてみると頭痛はおきません。これならなんとか数ヵ月はもちそうだと再開しました。その後3ヶ月間は、暇さえあればリスニングをしました。通勤電車の中はもちろん、買い物に行く途中の車の中でも英語のカセットテープを聴き、カミサンや子供を迎えに行くアッシー(?)の途中もリスニング。本当はFMで音楽でも聴きたいところですが「ガマン、ガマン」でした。そして2回目のTOEICの結果はリスニング405点、リーディング375点で合計780点。正味6ヶ月で何とか当初の目標730点はクリアできました。
意外だったのは「また失敗してしまった!」と頭を抱えたリスニングが80点アップしていたことです。
毎日電車の中でCNN ENGLISH EXPRESS(朝日出版社刊)の附録のCDを(カセットに入れなおして)いやというほど、がむしゃらに聴いた効果が表われたのでしょうか。文法と長文の参考書は一回読み直すのがやっとだったので、それがそのまま結果に現れたようです。
私は前にも書きましたが、問題集を「レベル」で選ばないことにしているのです。日常生活で話される英語に特別の難易ランクはつけられないと思うからです。600点台の力の時でも「TOEIC900点」をうたう参考書を読むことに抵抗はありませんでしたし、700点後半でも「TOEIC540点目標」の参考書を丁寧に読んでいました。
確かに各種のレベル別問題集をみると500点台のそれには「よくみかける」熟語などが多く、900点台のそれには余り見かけないものが多いのですが、こと英文法に関しては日本人は高校卒業までに一通り終了しているのですから、うっかり見過ごすことさえしなければ良いはずなのです。(と言うか、私はそう思うことにしているのです。)
さて、それから数ヶ月して、クリスマス・イヴの夜10時頃会社から帰宅すると、久しぶりにあの窓開き封筒が届いていました。3回目のTOEICの結果でした。
リスニング410点、リーディング390点で丁度800点。5月の780点からは、わずか20点の上昇。20〜30点はそのときの調子で変わる幅なので、まったく伸びていないとも言えます。(逆に830点程度は力がついたが、調子が悪くてこの点になった、とも言えるかもしれませんが、いずれにしても動きの幅が小さかったのです)それまで6ヶ月で200点の上昇を見てきたにしては、情けない話です。目標の880点にも遠く及ばず、ちょっとがっかりしましたが、当初の目標730点はクリアしているのだから、良しとしました。
1年間の総括としては:
1。受験英語の勉強は十分役に立ちました。
日本の英語教育は間違っている、と言う人もいますが、基本は(現地に行かない限り)腕ずくで暗記する必要もあるのです。
日常的な「言い回し」の知識は不足でしたが、基本的な文法事項、単語は「実用英語」とされるTOEICにも対応できると思われます。以前の項で紹介した良質の文法書は昔の知識を思い出したり、再確認するうえで大いに役立ちました。
2。生の英語を読む時間が不足でした。(これが学校英語には欠けていると言われているのでしょうが、学校で生の英語に馴染むには、各学校にネイティブの先生を3〜4人置く必要があり、現実問題として不可能だと思います)
電車の中でテープは聞いても、英語の文は殆ど読んでいません。前項で紹介した文法書を何度か繰り返し読むのがやっとでした。これがリーディングの伸び悩みの原因でしょう。
3。リスニングは、朝日出版の「CNN English Express」の付録のCDを毎号繰り返し聞きました。本誌を全く読まずに、ただひたすら聞いていましたが、テキストに目を通せば、もっと表現を身に付けられたのではないかと思います。
以上の反省は私と同レベル(もっとも英語学習者の多い層のはずです)で勉強を開始する方の役には立つと思います。これからも折りをみて頑張ってみたいと思います。今度は娘(高2)が大学生にでもなったら、「親子受験」でもしたいと思います。
880点あるいは900点は、その時まで楽しみに残しておきましょう。
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